名匠が生み出した美しいたたずまい
柳宗理の「和食器シリーズ」
世界が認めたインダストリアル・デザイナー
柳宗理(やなぎ そうり)をご存知でしょうか。
彼がデザインを始めたのは、
日本の大きな転換期となった1940年代。
日本ではまだ「デザイン」という言葉さえ一般的ではなかった時代、
製品における機能や素材の諸要素を踏
まえながら質の高いデザインにこだわり続けてきました。
父は、民芸の創始者である柳宗悦(やなぎ むねよし)で、
東京藝術大学の前身・東京美術学校で洋画を学びます。
しかし、バウハウスの留学から帰ってきていた建築家の水谷武彦
の講義で機能主義(ファンクショナリズム)やル・コルビュジエを知り、
次第にデザインにのめり込んでいきます。
中でもコルビジェの影響は大きく、
インダストリアル・デザイナーを志す
きっかけになったと言われています。
戦後日本のモダンデザインを牽引した柳が、
1975年に「普段使いの和食器」として発表
したのが、洗練されたデザインが光る「和食器シリーズ」です。
数々の食器をデザインしてきた柳ですが、
そのほとんどが無地の白い器。
和食器シリーズ
には自らデザインした染付紋様が施されています。
しかし、それから48年の時を経て、
2022年に柳工業デザイン研究会監修のもと、
現存している開発当時のモデルから製品の形を綿密に測定し、
待望の復刻を遂げました。